ブライドッティ、虫たちと女たちについて

英語のメモです。(断りなく変更することがあります。)

Rosi Braidotti. “Of Bugs and Women: Irigaray and Deleuze on the becoming-Woman"

 

・ブライドッティ

https://ytakahashi0505.hatenablog.com/entry/2020/01/31/165605

 

・a politically informed map 

informed くわしい。 un plan circonstancié、cartes actualisées 

・look (out) onto (something)

To have a clear and direct view of something or some place; to face or open out onto something or some place.

The apartment looks onto a stunning view of the beach.

The patio looked out onto the main square of the city, where I used to watch people going about their daily business.

https://idioms.thefreedictionary.com/look+onto

 

・gaze

a particlar perspective considered as embidying certain aspects of the relationship between observer and observed

・posit sth on

base sth on the truth of ( a particular assumption)

These plots are posited on a false premisr about wonen's nature as inferior.

このようなユートピア的な見方は実際、女性の生成の政治的に詳しい地図であり、それは主体への生成の過程全体の根本的な変容の枠組みに基づいている。

 

・elemental こんげんてきな

・firm 信念などが固い

・determination けつい

111 いりがらいは、 しゅたいに ついて かんがえた。 じょせいてきな そうぞうてきな ことの もとに、 じょせいの ありかたを ひきもどそうと した。

 

112

・感性的、超越論的基礎(→矛盾)

ドゥルーズとイリガライはラカンに背く。イリガライは女性的な象徴的なものを求めるなどぅるーずと いりがらいは らかんに そむく。

ドゥルーズは象徴的なもの無しで主体を考える。

・staple diet 主食、常食、おきまりのもの

・the metaphysical illusion of substance and teleological structure of identity 112

・banquet 宴会

・「イリガライが指摘するように、女性的な主体性の再定義において重要となる問題は、いかに女性的なものに、「異なる差異」、純粋差異、それは西洋哲学によってそれが閉じ込められるような対立的でバイナリーな思考の覇権的な枠組みから解放されているのだが、そのようなものを表現させるようにするべきかである。」

・他者たる女の脱構築

複数形の女たちの実際の経験から女性的な主体性の確立をどう導くか。

113

・男根ロゴスからいかに自由になるか、どう女性的主体性を表現するかという、ふたつのもんだい。

・「違うように考えることの活動性をイメージすることの目的、すなわち、哲学の状況の再定義の目的」と関係する生成変化

・stern きびしい、厳格な

・captivate 魅了する、とらえる

・beholder 見物人

・「ドゥルーズが提出した思想のイメージは、適切に変化や変化しつつある状況を説明するために、現在、実際の瞬間を考えることの非反応的な活動性である。」113

・ordain 定める

・flux ながれ

・nocpincidence 不一致

・「ドゥルーズが提起する主体とは、精神分析のせいでファロス中心主義的見方の中に植民地化された情動的または強度的=内包的存在物である。」113

 

114

・unveil, show or annonce publicly for the first time

・「主体は継起する生成変化の流れとして見られる」114.

・「情動的力、その真理値を最終的に決定する強度のレベル」114(外延量(数)に対する内包量(質)の差が強度)

・「考えの真理とは、…それが解き放つ情動の種類のうちにある。」114.

ドゥルーズの形象化

・力の中継地点としての埋め込まれた主体

ドゥルーズにとって、性化された主体のポジションの複数性が問題で、二項は問題ではない。程度差のもんだい。

115

・symbiosis 共生

・contagion 感染

・複数の差異

・periphery 周縁

・proportion 調和させる

・adjacent : next to or adjoining sth else

・marginality

marginal

Being adjacent geographically: states marginal to Canada.

https://www.thefreedictionary.com/marginality

 

・「男と女の性的二分法(sexual dichotomy)は、多くの対立と同じような単なる二元的対立(dualistic opposition)のひとつではない。それは言語、考え方の精神的な癖(mental habits of thought)、社会全般において象徴化されてきたため、西洋思想に構成的である。」115

・at large 全体として、一般に、あまねく

・dead heart 水不足で不毛のオーストラリア中央部、奥地

deadheart

: a deformed stunted plant of certain crop grasses (as maize and sugarcane) caused by borer attack on the region immediately behind the growing bud and characterized by bushy blanched distorted growth beyond the damaged area

成長中の芽のすぐ後ろの領域への穴をあける攻撃によって引き起こされ、損傷した領域を超えてふさふさしたブランチングされた歪んだ成長を特徴とする特定の作物草(トウモロコシやサトウキビなど)の変形した発育阻害植物

https://www.merriam-webster.com/dictionary/deadheart

??

疑問1

115ページ下から4行目、「ドゥルーズもイリガライに同意して、主体性の参照項としての男、つまり規範/法/ロゴスの首領(standard-bearer)は、メジャーなもの、つまりシステムの死んだ心臓を表象しているとする。」の死んだ心臓とは?

"i.e., dead heart of the system"115

 

116

・女になることは、ドゥルーズにとって、生成変化のプロセスの条件となっている。

・ここでの女はトポロジー的な位置であり、女になることど、ノマド的でリゾーム的な意識のポジティブな力とレベルを確認する。

・「女が二元論的にこのシステムの他者として位置づけられるかぎりで、女はそのシステムにそえられもする」116

・annex そえる

・uncharacteristically めずらしくない

・sedentary 定住の

・「ドゥルーズはこう結論を出す。すべての生成変化は等しいが、女になることは他よりももっと等しい、と。男性/女性二分法は、西洋の二元論のプロトタイプになってきたため、考える主体をこの二元論的な支配から脱植民地化するプロセスは、出発点として、ジェンダー化された対立に基づいたすべての性化されたアイデンティの溶解を要請する。」

・性的二元論は西洋思想に構成的。116-117

117

・性的二元論かジェンダー二分法を超えることが二番目の段階の目標117

ノマド的とか、強度的な地平は、分散させられていて、バイナリーではないという意味でジェンダーを超えた主体性である。

・フェニスト理論はドゥルーズにとって、メジャーの考え方を永続化するから非難されるべきもの。奴隷の道徳律。

ブライドッティ「ボーボワールはそうだけど、イリガライはそうじゃない」

・lump together ひとかたまりにする

・ブライドッティは、ジェンダー二分法の中性化によって性化されたアイデンティティを溶解させることをドゥルーズが求めることに疑いを持った。117

・hasty 急いだ

・a sad lot 悲しい身の上

・dispersion 四散

・dispersal 分散

・イリガライからすると、ドゥルーズみたいにセクシュアリティの分散を一般化された生成変化にされると、女性主体の再定義ができない。117-118

 

118

・flatten out ぺしゃんこにする

・なぞにされてきた女のセクシュアリティを分散させることはできないし、フェミニストの戦いを過小評価することになる。

・両性のシンメトリーを求めてしまって、同じことを求めるようになってしまう。

・イリガライはこのシンメトリーに挑戦した。全ての基礎となる構造的な差異としての性的差異。

・digression 余談

・文法的な私に集めるプロセスとしての、主体性

・対抗的記憶(フーコー

https://mizkos.jp/2021/08/28/%E7%B3%BB%E8%AD%9C%E5%AD%A6%E3%81%AE%EF%BC%93%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AB/

・主体は系譜的存在物。空間的にバラバラでも、時間的につなげる力が続いている。アイオーン的な非連続的時間観。

・母を起源とする時間観にたよるイリガライ

・tiered 段階的な

クリステヴァの二段階時間観。長い歴史で平等になってきたと、繰り返しで差異を肯定するの二つ。

・西欧中心主義。でもドゥルーズの方が批判されていない。

120

疑問2

120ページの上から5行目The feminist engagement withからの一文「しかし、フェミニストが直線的な歴史的時間に関わることが、生成変化の非連続的な時間(アイオーン)に対する女性の持つ関係と置き換わるわけでも包含するわけでもない」がよくわからない。もしかしたら、英語ではなく内容理解の問題かも?

 

・to the credit of sm 人の名誉となって、人の業績となって

・時間の問題をちゃんとかんがえられていないから、性的差異の射程をわかっていないドゥルーズ

 

Toward a female subject

・「イリガライにとって問題ははるかに簡単な方だ。多くの複雑で重なり合う変数の構造化する効果に、等しくではあるが非連続的に従属するものとしての主体の再定義を実行するのだ」120

・「フェミニストは性化されたアイデンティティを捨て去る余裕はなくて、批判的かつ徹底して再提出する必要がある」120

・hiatusすきま、きれめ

・女にあつまり、批判的に女を分析する

・「アイデンティティの攪乱には、性的差異のフェミニスト的プロジェクトにおける性特定的なつながりが求められる」120

・ミメーシスで象徴的なものに食い込む。

121

・inroad くいこみ、侵入

・両性の非対称

・revindicate 権利などを再び守る

・直線的時間によって、非対称性は隠されてきた。歴史は男の主体の主人の言説である。

・market 市場に売り込む

・prop 支柱、支持者

・indisputably 明らかに

・financial backing 財政的支援

 

疑問3

indisputably this provides the financial backing for every irreducible constitution as an object: of representation, of discorse, of desire. 121 イリガライからの引用

 

・bench mark 基準点

bounce off 光、音を…に反射させる

・repress 抑圧する

・opaque 不透明な

・pedestal 台座 the base or support on which a statue, obelisk, or column is mounted

 

122

・figment 作りごと、虚構の話、絵空事

・想像的なものを女によって置き換えなければならないが、そう簡単に捨てられるものではない。

 

疑問4

・Discoursive practices, like ierological beliefs, are tattooed on bodies, and unless women can change skin, like snakes, they have to take care that the process of subverting identity does not take too heavy a tool on them. 言説的実践は、イデオロギー的な考えと同じように、身体に入れ墨として刻まれていて、女たちは蛇のように皮を変えることができないぎり、アイデンティティを攪乱するプロセスが女たち自身に大きすぎる損害を与えないように気を付けるしかない。

 

 

・engender 生み出す

・toll 被害、損害、犠牲者、死傷者

 

疑問5

122ページ2段落目

・女性的なものを戦略的な反復を通して再所有することを目的とする言説的な戦略は、差異を生み出す。というのも、もし両性の間に対称性がないのなら、女たちによって経験されて表現される女性的なものは、いまのところ表象されていないということになる。それは男性的な想像的なものによって植民地化されてきたのだから。したがって、女たちは女性的なものについて、自分自身の言葉で、話すべきであり、考えるべきであり、書くべきであり、表象すべきである。

 

・sexual bipolarization 性的二極化

 

疑問6

・122ページ下から13行目(上から三段落目の3行目)から ”Emphasis on sexual difference... is the great diciding line... It allows Irigaray to remain close……while being opposed to his "becoming-woman" as a way of ocercoming the sexual bipolarization.” において、ドゥルーズの「女になる」と対置されているのは、性的差異を強調することだろうか?

 

・イリガライとドゥルーズの「二者が異なるところは、別の女性の主体にとっての表象の適切なシステムの洗練に与えられるべき重要度にある」。122

 

・「女たちは大地のように、男根ロゴス中心主義の主体性の多層的な制度がそこに立てられるような根本的な次元である。」

 

123

・bear →have borne 費用を負担する

・女たちが自律的な自己定義のための男性的な特権のコストを負担してきた。

ポスト構造主義の次を行く新しい物質主義によって、女性的な政治的エージェンシーの基礎を提示する。一枚岩ではないけど、女として話す。

・once and for all この一回限りで

・thus このように

・streamline すっきりさせる

 

フェミニスト的な新たな主体とは、主体的欲望と計画的な(willful)社会変容の間の交差の場所である。

・immersion intoへの没頭

・イリガライは母的な想像的なものへの没頭によって、別様の女性的な系譜学を求める。

 

・男性的なリビドー経済と女性的なリビドー経済が差異のポジティブな表現において共存するために、現れるべき性的差異の非還元性の場所をいかに洗練させればいいのか。

 

・大文字の女という主体は、表象の男性的なシステムにおいて排除されてきたものである、というのも大文字の女という主体はそのシステムを越えていて、そのようなものとして表象不可能だからである。この大文字の女は、フェミニスト的な関心をもっている女たちの再結集地として示し直されているが、表象のもうひとつ別のシステムの洗練の可能性を開いてもいる。

・in excess of を超える

 

124

・ミメーシスは女たちの表象の多層的レベルを辿りなおしていく方法である。本質主義的な形式をとる。

・「ミメーシスのプロセスの結果は、本質主義の戦略的な形、つまり(その特徴、性質、表象がそれぞれの女に関係するような))女性的な性化された主体についての集積された知識の貯蓄を大文字の女として定義する一時的な戦略である。というのも、それぞれの女は女性性、女性的主体、女性的なものとして象徴化されてきたすべてのものの経験的な指示対象であるからだ」124

 

・affirmation of の支持、賛同

・批判的思想としてのフェミニズムの目標は、「個人的なジェンダー化されたアイデンティティの問題を、政治的主体性に関係した問題と共に分節化することである。アイデンティティと主体性の交差によって、欲望、したがって無意識によって特徴づけられる経験の次元と、計画的な(willful)自己規制に従属している他の次元との間のカテゴリーの区別が詳細に述べられもする。」124

 

・threshold 出発点、敷居

・volition 意志力

・solipsism独我論

 

125

・「女になるとは、すべてのアイデンティティを様々なつながりがでてきてまじるような流れの状態への溶解ではなく、セックス的に限定されていて、セクシュアリティ的に差異づけられていて、結果として異なるジェンダー化されたポジションにしたがった時間の異なる感覚や異なる形式をとる」125

 

・クラリッセ・リスペクトール:意識の流れのポルトガル語で書くブラジルのユダヤ系の作家。神秘主義小説『G.H.の受難』(1964)など。

密室のなかでとある上流階級っぽい女性がゴキブリを見つけ、それを潰し殺して、その死骸を見ている間に嘔吐体験的サムシングと出会ってしまい、なぜかその死骸を口に含む (http://sekibang.blogspot.com/2012/02/gh.html

 

・大文字の女のイデアから女性の自己の感覚のひとつを解放するミメーシス的な戦略を行っている。

・敷居をまたいでいくと主体性のレベルがほどかれていく。

126

・tidy up きれいにする

・beehive ミツバチの巣箱

・aerial 空気の、空中の

・アイオーン、個人的親密な時間、クロノス、歴史的外的な時間の間のアナロジーを通じて外的に表される生成変化のプロセス

 

127

・accustomed になれている

・reshuffleトランプを切りなおす、配置転換する

128

・アブジェクトとの接触により抑圧されていたものが回帰してくる 

・虫になる

・mucus 粘液

・subcutaneous 皮下の

130

eccéité 個体性原理、ダーザイン

hell of とんでもない

・ferocity どう猛さ

・perimeter 周囲

・文明とその周囲で虫になる

・recount 詳しく述べる

・自己の外の生命を発見する。

・immedicay 直接性

・時間が今だけになる

131

・ゴキブリから出た白い液はただそれとしてあるだけ

・変容

・アファニティーに連続するG. H.

・生命はそれ自身の強度で表現される力が怖いから無生命に落ちていく

・しかし、生命の力にいって、ゴキブリを食べることでアブジェクトである。生きているものの一部になる。

carapace 甲殻類の皮

splendorかがやき

・all-encompassing 網羅的な

カフカと違って、女性に性化された存在のすべてを包み込む力、再生の力を強調している。

rapacious強欲な

caress愛撫

・アフィニティー、共感、愛撫 という他者の占有とは違う関係。

132

ovary卵巣

・身体化された見え方、感覚的で超越論的な性化された女性的

oratorio オラトリオ、聖譚曲(せいたんきょく)

・神

・中絶がポジティブタームで語られる

・介入するものとして

 

・超越のジェンダー特定的な形、ロゴセントリックではないあり方

133

inextricable切り離せない

・性化されたアイデンティティは原始的であり方から切り離せない。性的差異は女に定義的

martyrdom 殉職

・シクスー「エクリチュール・フェミニン」どえらい違いにおいて他者をうけいれる、贈与を与えたり受け取ったりできる。

・アファー二ティーと受け取り。人間の神性とは共感。創造性。

134